世界経済はデフレに突入!
その時に台頭する企業とは?

 投資をするうえで大切なのが、今後の世界経済の動向を知っておくことです。世界経済の大きなトレンドは5つあると私は考えています。詳しくは拙著を拝見していただくとして、その中の1つ「グローバルデフレ」について、今回はご説明しようと思います。

 私は「今後、先進国の経済が日本化していく」と予想しています。

 日本はこの20年で国家債務を膨らませ、その結果として低い経済成長とデフレの状況に陥りました。経済学における研究では、国家債務がGDPくらいの水準まで膨らむと、その国の経済成長が低くなることが知られています。いま、日本以外の欧米先進国が、日本と同じように国家債務を膨らませ、その水準は軒並みGDP並みかそれ以上の状態になっています。

 そのため、今後は日本以外の先進国が、日本のように低成長でデフレの状態に陥っていく可能性が高いと思います。こうした動きは専門家の間で「グローバルジャパナイゼーション(世界の日本化)」と呼ばれています。

 また国家債務の問題に加え、新興国から安い労働力がどんどん供給されることで、工業品を中心としてデフレが一段と進むという側面もあります。

 一方で新興国の高い成長も考えられるので、今後は世界経済全体として、デフレと高い成長とが併存する状況になるのだろうと予想しています。

 このような中で、先進国の企業でも、新興異国やデフレの対応に成功する企業は大きく業績を伸ばしていくことでしょう。一方、その対応がうまくできなかった企業は没落します。

 そうした意味では、日本は「デフレ先進国」であり、デフレでも大きく成長する企業が台頭してきています。

ユニクロや家具のニトリ、ヤマダ電機、外食産業であるサイゼリアをはじめとして、デフレ対策が進みデフレの中で売り上げと利益を伸ばすノウハウに長けている企業は日本には数多くあります。

 そしてこれらの会社は、私が投資をして成功してきた銘柄群でもあります。

 デフレというのは投資ではネガティブ要素にはなりますが、日本はこの20年以上デフレを体験してきました。ですから、今後グローバルデフレの波の中で日本から世界へ活躍の場を広げ、一段と飛躍していく企業がたくさん出てくるに違いありません。

※次回は『大きな危機の後にはスター企業が生まれる 日本株をバカにするな!』です

■著者紹介
藤野英人(ふじの・ひでと)
レオス・キャピタルワークス取締役・最高投資責任者(CIO)。
1966年富山県生まれ。90年早稲田卒業後、国内外の運用会社で活躍、特に中小型株および成長株の運用経験が長く、22年で延べ5000社、5500人 以上の社長に取材し、抜群の成績をあげる。中でも99年には500億円⇒2800億円にまで殖やす抜群の運用成績を残し、伝説のカリスマファンドマネ ジャーと謳われる。
その後、2003年に独立、現会社を創業。現在は、販売会社を通さずに投資信託(ファンド)を購入するスタイルである、直販ファンドの「ひふみ投信」を運用。ファンドマネジャーとして高パフォーマンスをあげ続けている。
主な著書に『【図解】スリッパの法則 5000人の社長に会ったプロが教える! 伸びる会社vs危ない会社の見わけ方』(PHP研究所)、『もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら』(阪急コミュニケーションズ)、『運用のプロが 教える草食系投資』(共著:日本経済新聞社)他

ツイッター @fu4
ひふみ投信 http://123.rheos.jp/

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