まだまだ開発中の自動運転技術
すごい勢いで実験を行う中国

実験道路がある福田保税区は、香港との国境DMZに位置している。中国国内と違う税制度が敷かれていて、中国から輸出する製品の梱包倉庫などがある。出入りは自由だが入り口にはゲートがある

 自動運転はまだ課題の多い技術だ。決まったコースを走るだけなら、だいぶ前から実現している。日本でも、運転手のいない電車「ゆりかもめ」の開業は1995年。高校生を対象にした完全自動運転の「マイコンカーラリー」も1995年にスタートした。これらは決まったコースを走るものだ。家の中を掃除してくれる「ルンバ」の発売は2002年。ただしルンバは障害物を見つけたら別の動きをするだけで、家のどこを掃除しているかわかるわけではない。部屋の環境と自分の位置を推定しながら掃除をする掃除ロボが出てきたのは2010年代になってからのことだ。

 障害物の発見、発見した障害物がどういうものかの認知、どう行動すべきかの判断…いずれもすごいスピードで進化しているホットなトピックではあるが、それらを統合して「コンピュータが人間の運転手に混じって道路を走る」になるのはまだ日付が確定できない未来の話だ。

 もちろん工場で稼働する産業用ロボットのように、限られた空間でロボットにとって動きやすい環境を作ってやれば、技術的には今でも実用化は可能かもしれない。しかし、「自動運転バスが毎日運行する社会で暮らす」ことを実現するには、法整備も含めた技術以外の多くの側面を含めたトライアルアンドエラーが必要になる。

 残念ながらニュースを見る限り、今回のバスの自動運転に関してどんな技術が使われ、実験の状況が目標に対してどのレベルに位置するのか、などについて書かれたものは、少なくとも日本語では見当たらなかった。

(上)報道された当日、2017年12月4日に見にいった自動運転バス基地。電源車から給電されていた。バスの形状も、冒頭で紹介した動画(1月25日撮影)とは違う。この日は日暮れ直前にたどり着き、翌日の日中も行ってみたが、バスは動いていなかった。/(下)上の写真からほぼ1ヶ月後、2018年の1月11日に撮影した自動運転バス基地。充電スタンドが整備され、5台のバスが置かれている。形状を見るとすくなくとも2種類はあるようだ。冒頭の動画で走っていたのは、初日には見なかった新しい型のもの