ロボット支援手術において、医師はどれくらいの経験で習熟の手ごたえを得られるのか。国内で先駆けて胃がんなどを手掛けてきた宇山医師は「いい手術だと言い切れるまでに100例。当時はまだ日本で教えてくれる人がいなかったので、最初は海外から経験のある医師を呼んで学んだ」という。

 ただ、これは開拓者のケース。今は国内に指導できる医師がいて、テキストなど教材もいろいろあるので、複数の医師の声を総合すると、「腹腔鏡手術を習熟していれば、間をあけずに20例ほどの経験」が当面の目安という。

 なお、医療機関が保険適用でこの手術を行うには、指定された施設基準をクリアする必要があるので、医療機関がまったくの未経験で保険適用の患者に手を出すことはない。つまり、この基準をクリアするまで、医療機関は保険適用での手術を行わないことになる。

 また、ロボット支援手術の治療情報を全医療機関で統一的に集める登録システムを構築したうえで保険適用の手術を手掛けようという動きがあり、そうなるとシステム構築に時間を要するのでどの医療機関も4月に入ってすぐには保険適用に対応できないかもしれない。最大数ヵ月の空白期間が生じる可能性があり、保険適用での手術を望む患者はこの点も注意が必要だ。