石田淳氏の著書『短期間で部下が育つ「行動の教科書」』は、上司から部下へのフィードバックのツールとしても「行動の教科書」が役立つと紹介している。取るべき行動が具体的に書かれ、フィードバックの場で上司と部下が一緒に「できたか、できなかったか」をチェックしていけるからだ。しかし、そこで部下の望ましい行動を消してしまう上司の言動があるという。『短期間で部下が育つ「行動の教科書」』の5章からフィードバックで注意すべき点を抜粋して紹介する。
フィードバックの言葉を
具体的に書き出してチェックする
あなたが部下の立場だったときに、上司のどんな言動を嬉しく感じましたか?逆にどんな言動によって傷ついたでしょうか?
あるいは、周囲の管理職を見て、「あの声かけはいいな」とか「あの態度は部下が不快に思うだろう」というような気づきがあれば、それも思い出してください。
それを具体的に書き出し、自分でチェックしていきましょう。
あなたの言動に、従業員に対する感謝やねぎらいの言葉、好感の持てる態度などが見られたら、ポジティブフィードバックとしてチェックを入れましょう。
このチェックは少しでも増えるようにします。「今日は7個以上のチェックを入れよう」などと目標を決めてもいいでしょう。
逆に、ネガティブフィードバックは極力減らし、ゼロを目指します。
相手が話をしているときに、イライラしたように足を揺すったり、指で机をとんとん叩いたり、ため息をついたり……。こうした態度は、行動の教科書にある従業員の望ましい行動を消してしまいます。