2019年内の本格稼働を目指す、積水化学の「ごみをエタノール化する技術」を投入したパイロット・プラント。現在は実証を繰り返す段階で、約1000分の1の設備規模で動かす。地方自治体の担当者は、このサイズで導入を検討する Photo by Hitoshi Iketomi

 燃えるごみなら何でも化学製品の主原料の1つであるエタノールに変えられる――。昨年12月上旬、世界で初めて積水化学工業が発表した「ごみをエタノール化する技術」に熱い視線が集まっている。この勢いは、しばらく衰えそうにない。

 それから3ヵ月、EU(欧州連合)の環境規制が厳しい欧州諸国からの問い合わせが増えている。そればかりか、国内でも既に20の地方自治体がパイロット・プラント第1号を設置したオリックス資源循環の寄居工場(埼玉県大里郡)まで、遠路はるばる見学に訪れた。

 端的に言うと、積水化学が開発したごみ処理のシステムは、2つの設備を使って環境負荷を減らす。

 まず、日本で普及が進む「ガス化溶融炉」(焼却設備)で、燃えるごみを分別することなく、2000度の高温で丸ごと溶かすことでガスに変える。ごみを燃やす段階までは、地方自治体の管轄となる。

 次に、民間の企業が長期契約で運営を請け負う付帯設備の「エタノール生産プラント」は、ガスを食べる微生物の活動をコントロールしながら、基礎化学品のエタノールを効率的に取り出す。将来的には、ブタジエンなどの稀少留分の生産なども視野に入れる。

 この技術自体は、米国のバイオベンチャー企業が開発したものだが、プラント設計・運営に関わる技術特許などのマスター・プランは積水化学が押さえており、両社はがっちり組んで活動してきた。