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ポスト・ビッグデータ時代の経営

20年前AIに敗れてから
チェスはどのように進化してきたのか

――人とAIとのマリアージュを考える

KPMGコンサルティング
【第5回】 2018年4月12日
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「人と人工知能」の相互補完が
ビジネスで成功するための前提条件

 このようなフレームワークを成功させるためには、人間が行ってきた業務領域に人工知能が追加された際、人と相互補完的なシナジーを創出ことができる領域かどうかの厳選する必要があります。

1.対象となる問題の分析と解決に求められる能力の判断

 正確な問題定義と、要求される意思決定の難易度の把握(例:単純な繰り返しルールか、人による洞察を要求するか)が必要です。

2.時間的拡張性の判断

 洞察力に乏しい作業者であっても、人工知能を通じて新たな知見を学び、そこに人が持つ感覚的な要素を加えて既存の専門家とは違う新しい専門家の養成が期待される領域なのか判断が必要です。

3.インタラクティビティの判断

 既存の作業者に受け入れられるUI/UXで人工知能が具現化できるか考慮が必要です。ただ、この領域は近年のスマートフォン、ウェアラブルデバイス、IoT等を駆使することで実現が可能です。

 筆者が所属しているKPMGコンサルティングの「Advanced Innovative Technology」では、人の能力を先端技術で拡張させるビジネスを専門としています。具体的には、AI(自然言語処理)活用により最適な人事配属のマッチングを実現するHR-Techソリューション「HERO(Human Establishment and Resource Optimizer)」を開発し、人事業務の高度化・効率化の実施や、AIによるリアルタイム映像処理とMicrosoft HoloLensを活用して、製造現場作業者の部品認識能力向上の支援を行いました。

 最高級でなくても、適切な相性の料理とワインは顧客に幻想的な経験をプレゼントする。私たちはそれらを"マリアージュ"と表現します。「人と人工知能」のマリアージュこそビジネス上では企業が顧客に最上のサービスを提供する、企業内では企業の潜在的価値を最大に引き出すことができる方法ではないでしょうか。

 次回はAI(機械学習)がコモディティ化する現代において、この効果を最大化するためにデータを扱う人間や組織がどうあるべきかお話しします。

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「ビッグデータ」が活用され始めた企業の現場で「ハードウェア資源不足に対する危機感」が問題となりつつある。この潮目の変化にいち早く気づいたコンサルタントが、「ビッグデータ時代の終焉」と「ポスト・ビッグデータ時代」の経営の要点を明らかにする。

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