メガバンクの採用抑制は、銀行・行員・日本経済の「三方一両得」だPhoto by Akiko Onodera

 メガバンクが採用を抑制すると報道されている。メガバンク3行合計の来春の新卒採用数2300人程度と、今春を3割下回り、リーマンショック前の3分の1となる模様だ。

 新卒市場の“ガリバー”だったメガバンクの変化は、多方面に影響を与えると注目されているが、筆者はこの動きを「メガバンク、従業員、日本企業の三方それぞれにとって一両の得である」として歓迎したい。

メガバンクの採用抑制は
収益改善に資する

 昨今、メガバンクを取り巻く情勢は、厳しいものがある。

 まず、ゼロ金利の長期化により、預金部門のコストの持ち出しが長引いている。ゼロ金利なのだから、必要な資金はいつでも他行から借りることができ、預金部門は不要といえる。にもかかわらず、各行が預金部門を持ち続けているのは、ゼロ金利が解除されて高金利時代が到来したときに備えているわけで、長期化すればするほど銀行の収益にとっては大きな重荷となっている。