子どもを襲う、
巨大すぎる数の友人たちによる攻撃
これはもはや、親しい友人たちのグループの話ではない。軍隊の話をしているようなものだ。
では、この「軍隊」には誰がいるのか?彼らは現実世界の意味での「友人」ではない。彼らはあなたのことを本当に理解しているとも、気にしているとも言えない。オンライン上だけでの付き合いなのだ。その身元や年齢、名前は偽物である可能性もある。
ダンバーによれば、子どもが成長するにあたって、他人と交流する時間の大部分をオンライン上の「友人」と過ごした場合、彼らは現実世界で社会集団(特に大規模なグループ)を相手にする経験を十分に得られない可能性がある。
すると子どもたちは、さらに現実世界の集団を相手にすることが苦手になってしまう。言い換えれば、ソーシャルメディア上で時間を過ごしていると、子どもたちは社交性を身につけるのではなく、逆にそれが阻害されてしまうのである。
現実世界では、5人の友人に攻撃されたら、それはもう十分に悪い出来事だ。もし、同じクラスのクラスメート20人から攻撃されたとしたら?あるいは、通う学校の全生徒500人から攻撃されたら?それは耐え難い状況になり、家に引きこもるまでになってしまうかもしれない。ではいま、SNS上で1000人の「友人」が、あなたを指差して揶揄していたとしたら、どう感じるだろうか?
11歳の子どもの多くは、それに対処する社会的スキルは持っていないだろう。私にもそんなスキルはない。たとえコメントを書き込むことがいじめに当たらなくても、この年頃の子どもたちは、批判に対して過度に繊細になってしまうおそれがある。そしてティーンエージャーのように、褒め言葉よりもけなし言葉のほうに気を取られてしまう傾向がある。