経営×経理

【処方箋3】
「上下関係の足かせ」を外せ!
上層部主導でプレゼンの意義を共有

 企業文化にもよりますが、社内の力関係の影響によりプレゼンがスムーズに進まないことはないでしょうか。たとえば世間の企業では、営業・製造部といった直接部門の方が経理部などの間接部門よりも力関係が上の場合が多いため、、経理からのプレゼンを「事務屋に何が解るのか!?」と一くくりにして喝破する人もいるでしょう。

 また、「年齢が下、社歴が浅い」といった理由で、口は出さないにしても、経理部員を心理的に遠ざけてしまう人もいるかもしれません。、そうなると、そもそもプレゼンの目的は果たしにくくなります。

 このような悪しき文化が蔓延っているのであれば、プレゼンする側と受ける側の当事者のみならず、経理部長や経営陣などの上層部が中心となって、経理によるプレゼンの意義が何であるかを全社員に対して共有する必要があります。たとえば、プレゼン終了後のアンケート内の質問事項を工夫し、「今回のプレゼンを踏まえ、次月はどのような改善行動を興すか」など具体的に記述してもらうようなスタイルにして、回答を上層部側が精査し、問題点をピックアップするような方法にすると、これまで経理のプレゼンを軽視していた人が真剣に耳を傾けるようになるでしょう。

「経理ならでは」の
プレゼンテクニックとは? 

 本連載の読者であれば、ビジネス誌や関連サイトからプレゼン方法についての情報を収集し、大凡のノウハウを掴んでいる方が多いことでしょう。筆者もセミナーや社内研修での登壇経験を通じて、効果的な方法を模索している段階ですが、ここで、経理ならではのプレゼン方法を再考していきます。すでにあなたが取り入れているプレゼンテクニックを振り返り、併せて活用してはいかがでしょうか。

(1)データに「背景」を加える

 数値の推移やグラフを見せながら、結果報告のみに終始するプレゼンでは、聴き手がすでに内容を把握しているケースが多く、新たな「気づき」を与えることが難しいのは言うまでもありません。経理側は蓄積されたデータを読み取り、「数値の変化の主因が具体的に何で、どのような行動がそれに影響し、今後の見通しがどうなるか」を言い添えることは必須でしょう。

 ただ、こうしたプレゼンを行うには、経理側による一方的な洞察のみならず、聴き手側である関連部署の実情についてのヒアリングや事業計画・行動推移が経理全体に共有されていなければ困難です。特に経理マネジャーは、改善の余地があるか否か再考すべきです。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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