経営×経理

(2)「感情」を適度に入れる

 ビジネスの現場では、とかく感情を持ち出すことがタブー視されますが、プレゼンの場合、時に重点的なところに感情を適度に込めることは、聴き手の心理に与える影響を考える上で自然なスタイルです。声に強弱をつける、視線をまっすぐにする、言い切る、という仕草は、単なるテクニックではありません。自身の感情を表に出すような意識で臨んだ方が、聴き手にも伝わるものです。  

 日頃、細かな経理処理に従事している担当者だからこそ把握できる傾向やリスクがあるはずです。無機質なプレゼンスタイルをとっていないか、振り返ってみましょう。

(3)費用対効果を重要視する

 経理であれば、“費用対効果”に対しては、敏感であるはずです。プレゼンは経理のみならず、関係部署の社員、時には役員クラスの人件費ならびに貴重な時間が投入されます。そのような場では、単に数値を読み上げるような場面は極力カットする、あまり重要視されない資料の配布はしない、といった配慮がなされているか確認してみましょう。また、プレゼンそのものが本当に有用なのか、振り返ることも忘れてはなりません。資料を社内メールに添付するだけで充分なケースでは、各人が顔を揃える必要もないかもしれません。現状の方法が最適なのか、正しく疑ってみましょう。

「未来に続くプレゼン」を意識して
経理が企業経営を変えていく

 企業の繁栄、維持を使命とするならば、軌道修正の場である経理のプレゼンについても同様に未来を向いてなければなりません。そのためには、スタッフクラスの経理担当者がプレゼンに対して苦手意識を持たないために、経理部内の会議の場で自身の担当業務の進捗状況や改善案などを発表してもらう場を設けることも有効でしょう。

 また、前職で身に着けたプレゼン経験が豊富にある、子どもの学校のPTAなどプライベートな会議の場で関係者を説得した経験があるなど、上司が知らない潜在能力を部下が秘めているケースがあるものです。知り得る限りそうしたことも考慮しながら、プレゼンを担当する適任者を選定するのも忘れてはなりません。

 近々、プレゼンに臨む予定があるあなた――。これまでと同様のスタイルで問題はないのでしょうか。もしも腑に落ちないところがあっても、まだ間に合うはずです。本稿を参考にして、プレゼン能力のグレードアップを目指してみてはいかがでしょうか。

(ビジネス作家・経理環境改善コンサルタント 田村夕美子)

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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