これは日朝平壌宣言や南北首脳の板門店宣言でも同じだが、どちらかが一方的に求めるというものではなく、共同で行動することを基本としている。

 北朝鮮が行ってきた核やミサイルといった大量破壊兵器の開発は国際法に違反した行動であるし、国連安保理決議に反して行われてきた行動であることには間違いがない。

 しかし我々が達成したいのは非核化という結果だ。どんなに北朝鮮を一方的に叩いたとしても結果が出ないとなれば、結果を作るために、まず信頼を醸成し共同で取り組むということにならざるを得ないではないか。

 日本では往々にして「北朝鮮が勝った」とか「金正恩の勝利である」といった皮相的な評論が見られるが、我々にとって重要なのは朝鮮半島の平和と安定と、そのために必須である非核化という目的の達成だ。

 そういう意味でシンガポール首脳会談は結果を作るためのスタートであることは間違いがないが、今後のフォローアップには不安が残った。

中間選挙を意識し成果を焦るな
日米韓中の連携重要

 まず、11月に中間選挙を控えたトランプ大統領が国内政治情勢を見据えて十分な吟味なく成果を焦るようなことがあってはならない。

 おそらく北朝鮮の完全な非核化は最低でも今後、数年はかかるプロセスであり、しっかりした土台を作る必要がある。

 非核化は、北朝鮮によるすべての核施設の申告と国際的な(あるいは米国による)査察に始まり、具体的な廃棄に向けた作業に至る。

 核施設は軍事施設だろうから一定のガイドラインに沿った査察が必要となり、専門家が北朝鮮と共同グループを組成して取り組まざるを得ないのだろう。

 一方、北朝鮮は核を放棄していくことに伴う「安全の保証」を求めるだろうが、それはおそらく米国は先制攻撃をしないという消極的安全保障、朝鮮戦争終戦の宣言と平和条約、北朝鮮と米国及び日本との国交正常化といった要素なのだろう。これらの作業は非核化と並行して進めることを考えてもいい。

 また、制裁の解除と本格的な経済協力も非核化が確実に進捗すれば検討されるべきものだろう。