国内で最もメジャーなスポーツである野球は根本的な部分では変わっていないことが多い

 6月14日に開幕したサッカーのワールドカップ。サッカー後進国であった日本でも代表チームの出場が重なるようになったこの20年で、オリンピックと並ぶ世界的なイベントであることはすっかり定着した印象を受ける。

 国内で最もメジャーなスポーツである野球もこの20年であらゆる出来事が起こったが、根本的な部分では変わっていないことが多い。そこで今回はサッカー界で導入されているものの中で、今すぐにでも野球界が取り入れるべき制度、慣習のポイントについて5点ほど提言してみたい。

指導者育成のシステム化が急務

 近年、育成年代の野球人口の減少が叫ばれることが多いが、そこで問題になっている指導者の育成がひとつめのポイントになる。

 サッカーの場合、指導する選手の年代、対象に合わせて細かくコーチのライセンスが分かれており、指導者をサポートする体制が構築されている。一方で野球に関してはそのような統一された仕組みは存在せず、極端なことを言えば知識がなくても突然指導者になれてしまう現状が続いているのだ。

 プロ野球の世界でも高橋由伸監督(巨人)、井口資仁監督(ロッテ)などは現役を引退してすぐに監督となったことがその典型例である。