社内評価の強化書 寛大化傾向とは

自分の評価を上げるためには、上司が陥りがちな「評価エラー」を逆手にとるのが早道。今回紹介する評価エラーは「寛大化傾向」。かわいい部下には甘くなる上司の心理を利用し、自分の期待値を前もって下げておくことで「寛大化傾向」を引き出す戦術だ。人事・教育コンサルタントの森中謙介氏が、新著『社内評価の強化書』の中から、評価を上げるための効果的テクニックを伝授する。

部下に甘い上司は
「寛大化傾向」が強い

 よく、「○○課長はあの人に対して甘い」とか、「△△部長はあの人に厳しい」という話を聞きますが、「甘い」上司のほうが「寛大化傾向」が強い、ということです。

 なぜ甘くなるのか? 理由はさまざまですが、単純に「かわいい部下」や「頑張っている部下」に対して厳しくできない、ということがあります。

 上に立つ人も当然ながら人間ですから、同じ部下でもよく知らない部下よりは、プライベートも含めてさまざまなことを知っている部下のことを自然とひいき目で見てしまうものなのです。

 逆に、あなたが仕事でちょっとした失敗をしたときに、予想以上に上司や経営者から低い評価を受けてしまった、あるいは自分ではよくできたと思っていた仕事が、思ったような高い評価を受けなかった、という経験はありませんか?

 これには「期待値」というものが関係しています。