定年間際に続々浮上する
お金の素朴なギモン
先日、20代のときに勤めていた会社の「同窓会」と称した飲み会があった。その部署は、20年くらい前に事業部ごとリストラになったため、参加者は最若手でも当時新卒入社の40代前半。50代後半から60代前半が最も多く、当時の部長は70代…という、シニア色たっぷりの集まりであった。
私がFPであることを知っている人から「もうすぐ定年になるんだけど、ちょっと聞いてもいい?」と言われ、ちょっとどころか、数人から矢継ぎ早に質問を受けた。
「年金がもらえるまで働かなくちゃいけないけど、働くと年金が減るってホント?」
「うちの奥さん、社会保険の『第3号』だから保険料払ってないけど、俺が会社やめたらどうなるの?」
「定年以降も働くと、その後辞めても“失業保険”(正式には雇用保険の失業給付)は、もらえないの?ずっと切れ目なく働いているから、もらいたいなぁ」
定年が近づくと、これまで思いつかなかった「ちょっとしたギモン」が次々湧いてくるものなのだ。ちょっとしたことなので、誰に聞いたらいいのかわからないようだ。
「定年後も働かなくてはいけないのか」という「そもそも論」の質問もあった。これについては「貯金がいっぱいあるなら、働かなくてもいいんですよ~。どうしますか~?」と、笑顔でスルー。宴席でその人の貯蓄額など聞けるはずもない。懐と奥さんに相談する話題だろう。