公務員試験の直前対策!
本記事では、発売たちまち3刷が決まった、元NHKアナウンサーの超人気講師で「ウェブ小論文塾」代表・今道琢也氏の『落とされない小論文』から、内容の一部を特別掲載する。(構成:今野良介 初出:2018年7月25日)

これが「超頻出テーマ13」だ!

公務員試験の小論文でもっとも多い出題形式は、「少子化問題」「防災」「温暖化対策」など、行政の課題について考えさせる問題です。全国の自治体の過去問題を網羅的に調べてみると、下記の出題テーマは、出題率が非常に高いことが分かります。

【公務員小論文試験で非常に問われやすい13のテーマ】
(1)少子化・人口減少
(2)超高齢社会
(3)ワークライフバランス・働き方改革
(4)女性の活躍
(5)地震対策(防災)
(6)訪日外国人誘致・観光振興
(7)温暖化対策
(8)地方の活性化・地方創生
(9)農林水産業振興
(10)格差社会・貧困問題
(11)循環型社会
(12)個人情報保護・情報管理
(13)コンプライアンス・危機管理

これらの課題は、言ってみれば、行政が直面している課題そのものです。
ですから出題率も高く、受験者は必ず押さえておく必要があります。

しかし、それぞれのテーマの、何をどこまで知っておけば良いのか、ということについて、明確な指針を持っている受験者は少ないでしょう。

公務員試験小論文13の超頻出テーマと「落とされない答案」の書き方【書籍オンライン編集部セレクション】『落とされない小論文』は、試験直前の「特効薬」です。

公務員試験の場合、出題形式は、どの自治体でも大きな差はありません。大抵の場合、「少子化問題にどう取り組むか?」「災害に強い街をどう実現するか?」「温暖化対策を行政としてどう進めていくべきか?」といった聞き方をされます。

押さえておくべきポイントは、各テーマについての「問題の背景・現状」と「解決策・方策」です。どのような問題であっても、まず背景・現状を分析し、それを踏まえてどう解決するかを考えることになるからです。テーマによっては「将来考えられる影響」についても理解しておくと、さらに良いです。

たとえば、次のような出題があったとします。

【公務員試験の想定課題】
高齢者が暮らしやすい街を、自治体はどう実現していくか。

この場合、高齢社会について「背景・現状」「考えられる方策」という2つの観点からポイントを整理できていれば、すぐに答案を組み立てることが可能です。

●高齢社会の背景・現状
・急激な少子化によって、現在日本では人口の4人に1人以上が高齢者となっている
・今後、高齢化率は一段と高まり、将来的には国民の3人に1人以上が高齢者という時代が到来する

●高齢社会の到来に対してどのような方策を立てるべきか?
たとえば……
・街のバリアフリーを進めていく。公共施設でのエレベーターやスロープなどを整備すべき
・買い物や通院などに必要な高齢者の移動の手段の確保。行政主導のコミュニティバスやオンデマンドバスの運行
・高齢者の見守り活動や生き甲斐づくりなどが求められる。行政が自治会やボランティアなどに呼びかけ見守り活動を行うこと。新聞販売店や郵便局と連携しいつもと様子が違う家を行政側に連絡してもらう仕組みを作る
・自治体の保健師が一人暮らしの高齢者宅を定期的に訪問し、健康面や心理面の相談に乗る
・高齢者向けの体操教室や趣味の教室などを公民館等で開く

ここまで素材をそろえておけば、問題の聞き方に合わせて、答案を書いていくことができます。逆に、こうした基本的な知識、考え方を知らないと、見当はずれのことを書いてしまったり、内容として物足りないものになったりする恐れがあります。

上記を踏まえた「高評価の解答例」を示します。