「スポーツ飲料の方がいいのでは?」という質問もよく受けます。確かに体内への吸収率はいいものの、糖分が比較的多く含まれているのが問題。スポーツ飲料の飲み過ぎで糖尿病を発症した事例もあります。日常生活では水で十分。喉の渇きを自覚する前に、こまめに水を飲んでください。

 一方、スポーツをしたり、汗をかいたりしたような時は、経口補水液を取るようにしましょう。最近の論文では、「スポーツ後には牛乳がいい」という説も発表されています。ミネラルのほかタンパク質の補給にもなり、熱中症になりにくい体を作るからです。

「クーラーが体によくない」という意見を高齢者を中心によく耳にしますが、近年の気温上昇を見ると、特に都心ではクーラーなしで夏を乗り切るのは難しいように感じます。健康のために、熱中症予防のために、28度くらいを目安に、適度にクーラーを用いて、暑熱を和らげるようにしてください。

――熱中症を起こしやすい季節、天気、時間帯はありますか?

 熱中症は気温25度、湿度40%を超えた辺りから増え始めます。患者数は原則的に気温の上昇に比例して増加するため、ピークは7~8月。ただし、人間の身体は暑熱に慣れていくので、高温が続くと患者数は減ってきます。むしろ暑さに慣れていない梅雨明けでは、真夏よりも低い気温で熱中症が発生しやすくなります。

 実のところ熱中症は、気温より湿度の影響の方が遥かに大きく、カラッと晴れた日よりも、晴れて蒸し蒸しした天気の方が熱中症のリスクが高くなります。時間帯では、13時ころがピークで、16~20時もそれなりに多い一方で、21時から翌8時までは比較的少なくなります(平成27年東京都消防庁データ参照)。

 環境省の熱中症予防情報サイトでは、熱中症を予防することを目的に作られた「暑さ指数(WBGT)」 の予測値と現在の推計値を掲載しています。外出する際などはこちらも参考にして、指数に応じて外出や運動を控えるなど生活活動の目安にしてみてください。