「その後、誰かがタレントさんの事務所へこの件を相談したようです。それからしばらくして、その人のアカウントは消えました。当時は、ちょうど小金井でシンガーソングライターの女性に対するストーカー事件があったころ。もし彼が変な執着心を持つ人だったり、私たちに恨みを持ったりした場合、タレントさんに迷惑をかけたり危害を加えたりするのではないかと、とても不安な日々を過ごしました」(麗奈さん)

 綾香さんの件も麗奈さんの件も、「しつこくメッセージを送ってくる」という行為から始まり、その内容によって趣味や生活に支障をきたす恐怖を与えられている。

 麗奈さんの話に出てきた「小金井でのシンガーソングライターのストーカー事件」は、2016年5月に東京都小金井市で発生した殺人未遂事件のことだ。

 シンガーソングライターとして芸能活動を行っていた女性に対し、ファンを自称する男性がSNS上でストーカー行為を繰り返した。その後、女性が出演予定だった小金井市内のライブハウスにて、ナイフで刺殺しようとして重傷を負わせた。

 SNSでの交流があまり頻繁でない人や、嫌な思いをしたことがない人は、ちょっと変わったメッセージに「それくらい、いいじゃない」「SNSってそういうものでしょう」とアドバイスしたくなってしまうかもしれない。だが、SNS上での書き込みやメッセージから始まったこの事件を考えると、おかしなメッセージを送る相手に対して警戒心を持つのは過剰反応とも言えない。

男性も遭うストーカー被害
まず「やめてください」と伝えることの重要性

 相手に「やめてください」と伝えることが必要だとわかっていても、不安でなかなか行動に出られないという被害者の声もある。

 30代の男性である浩介さんは、ストーカーに遭っている最中の気持ちを「とにかく『自分はひとりぼっちだ』という感覚が強かった」と話す。

 浩介さんは、Twitterの相互フォロワー(※お互いにフォローをし合っている状態)である40代の女性から、一方的に1日で数十通のメッセージを送りつけられた。内容は、現実と妄想が入り交じっていて、浩介さんが自分のことをわかってくれないと責め立てるものになっていた。