仕事の現場で起きる問題の本質の多くは、コミュニケーション能力によるものだと感じています。特に、カウンセリングの現場で感じるのは、管理職の方々が、問題解決の手法を間違えているにもかかわらず、過信してしまっていること。『管理職養成講座』第15回では、問題解決の手法を間違え、部下から不信感を持たれてしまったマネジャーの事例です。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)
コミュニケーションは取れているのに
数値目標が達成できず悩むマネジャー
大手IT企業に勤めるCさん(41歳・男性)は、現在営業部に所属し、新規プロジェクトを任されているマネジャーです。さわやかな好青年で、人当たりもよく、初対面の相手でもすぐに打ち解け合うことができます。
部下は男女合わせて6人、その半分が今春からの新メンバーです。メンバー同士は非常に仲が良く、個々のコミュニケーション能力も高いので安心していました。しかし、なぜかチームで掲げた数値目標に到達しない日々が続いています。
その状況下で、特に悩んでいるのは、新しい部下Aさん(27歳・女性)が、なかなか数字を上げられないことでした。そこでAさんを呼び出し、進捗を確認してみました。その時の会話をご覧ください。