ZARAとユニクロの売上・利益を比較する
Inditexは2012年1月現在、主要8ブランドで合計5,527店舗(うち、1割強はロイヤルティ収入のみが売上となるFC店)を世界に展開しています。1店舗あたりの年商が1億円だとすると約5,000億円が、2億円だとすると約1兆円がInditexの売上になるということです。
2012年1月期のInditexの連結売上高は、137億ユーロでした。1ユーロを100円とすると、1.37兆円になります。これは、ファストリの8,200億円(2011年8月期)の1.7倍です。
売上を比べただけでも規模の違いがおおまかにつかめますが、両社で圧倒的に異なるのが「利益額」です。Inditexの純利益は19億ユーロなので、1,900億円。これに対してファストリは543億円ですから、ざっと3.5倍。つまり、Inditexはファストリの3.5倍も利益を上げているということです。これだけ円高・ユーロ安が進んだもとでの3.5倍なので、実際の差はもっと大きいとも言えます。
売上高10%、売上総利益10%、EBITDA10%、純利益12%、配当12.5%、店舗面積9.7%、人件費11%、家賃10%、その他営業費用10%。これらはすべて、Inditexの2012年1月期決算発表のプレゼン資料にある数値です。すべて前年度比の成長率を表しています。
ちなみに、店舗数も同期間に9.6%増えています(5,044 ⇒ 5,527店舗)。世界80ヵ国で5,527店舗を展開するInditexですが、上から下まで見事な「10% growth」を実現しています。何とも統制された会社ですね。
対するファストリの2011年8月期は、売上高0.7%、純利益▲11.9%ですから、その差は歴然としています。日本市場が成熟・縮小している以上、いくらそこで一人勝ちしていても、売上の急成長は見込みにくいのです。