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国際線予約システムを欧州系のクラウドに移行
ITに競争優位性を求めず、「自前」から「利用」へ:ANA

2012年5月1日
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 日本だけでなく、海外の航空会社でも、国内市場で大きなシェアを持つ会社は、グローバル共通システムへの参加の意思決定に非常に時間がかかっている傾向があります。特に、国内線と国際線で同じシステムを持っていると、なかなか参加が難しい。ANAの場合は幸い、国内線と国際線でシステムが別々だったので、国際線だけをアマデウスにアウトソースするという決断が迅速にできました。

――国内線のシステムについては、どのような取り組みをしていますか?

 国内線のシステムも、20年以上使っているためつぎはぎで老朽化が進み、使っている技術も古くて技術者の確保が大変になっていました。このため4年ほど前から、技術者の確保が容易なオープンソースを使ったシステムへの移行を進めています。

 今年度後半には移行完了の予定です。実現すれば、航空会社のシステムとしてこの規模のシステムの完全なオープン化は世界初となる可能性が高いでしょう。航空会社間では、開発したシステムを他社に売って、次のシステム開発資金にすることは一般的で、私たちの新システムも、既に他社が強い関心を持っていて、いろいろな問い合わせが来ています。

スマートフォンで航空会社の
サービスは大きく変わる

――航空業界では、ITシステムによる競争優位性は、今後どのような分野で求められるようになるのでしょうか?

 以前であれば、利用者にとって利便性の高いシステムを導入することで、2、3年は競争優位性が維持できたかもしれませんが、今は持って1年、下手をすれば半年で追いつかれ、優位性はなくなります。そこにお金をかける意味が一体あるのでしょうか。

 それに、世界中でシームレスにサービスが提供できることが重要になってくると、システムに「違い」があると、お客様にご不便をかけることにもなりかねません。航空会社ごとに搭乗の仕組みが異なると、お客様もとまどいます。競争する必要のないシステムについては、業界で共同開発することも必要だと思います。

 ここ数年で、国内の交通機関の利用はSuica型の非接触モデルに集約されつつあり、共通化が進んでいます。航空の搭乗サービスもそこに集約されるでしょう。

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