一方で、厚生労働省の「国民生活基礎調査」を見ると、生活にゆとりがあるか苦しいかを尋ねた問いに対して「苦しい」と答えた割合は、安倍政権成立後わずかだが減少傾向にある。この割合は下のグラフのようにバブル崩壊後、長期にわたって増え続けてきた。現在もバブル崩壊前の約1.5倍もある(図表3)。

生活意識
上記リンク先より筆者が作成 拡大画像表示

 56%もの人が「生活が苦しい」と答えているのに、内閣府の「国民生活に関する世論調査」を見ると、生活に「満足している」「まあ満足している」と答えた人の合計は74.7%に達する。これはどういうことなのだろうか。

 いまの生活に満足しているという人の割合は、内閣支持率同様、60歳代が一番低く、世代が若くなるほど高くなり、18歳から29歳では83.2%となっている。

 同調査の去年と比べた生活の向上感を尋ねた項目では、若い世代ほど向上していると感じ、高齢世代ほど低下していると感じる傾向がはっきり出ている。全体では「向上している」と答えたのは7.2%にすぎないのに、18歳から29歳では22.7%と3倍以上ある。

長期不況で「期待値」下がった
失業の恐怖や民主政権のトラウマ

 つまり、長期不況の間人々の生活がどんどん悪化して、期待のレベルが下がってしまったために、安倍政権下のわずかの改善で満足するようになったと思われる。

 特に、バブルを知らず、不況期の就職状況ばかり聞かされて、脅されて育ってきた若い世代はそうなるのだろう。