一流のリーダーの法則一流のリーダーが守るべき法則とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 前回、成功したいなら先人の失敗を研究するよりも、成功の法則を学ぶ方が近道だとお話ししました。そこで今回は、成功の法則を身に付けるための正しい努力についてお話しします。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 明治の大実業家・渋沢栄一は、およそ500の営利法人と600の非営利法人をつくり、そのほとんどを成功させました。彼の有名な著作『論語と算盤(そろばん)』を読むと、論語の考え方をベースにビジネスを行っていたことが分かります。

 論語や仏教書と聞くと、堅苦しい生き方を求められるのではないかと思うかもしれません。ですが、私は、そこには2500年もの長い間、人々に支持されてきた生き方の基本や成功の原理が書かれていると理解しています。私のお客さまにも論語を読むことをおすすめしていますが、ここでは、基本となる8つの徳目を紹介します。

論語に記されている8つの徳目
「仁義礼智忠信孝悌」を守れているか?

 8つの徳目とは「仁義礼智忠信孝悌」です。

「仁」という字は、人が二人と書きます。夫婦であっても団体であっても、二人以上いればリーダーが必要です。そのリーダーが持つ愛情、人を育む愛情が仁です。人を育むためには、時には厳しいことも言わなければなりません。ダメなリーダーは、部下との対立を避けるために厳しいことを言わず、甘やかしてしまう。それでは部下は育ちません。愛情と厳しさ、それが「仁」です。

「義」は特に渋沢栄一が大事にしたことで、社会正義や全体のことを考えるということ。それに対し「利」は自分のことを考えるということです。「先義後利」という言葉があります。

 今風に解釈すれば、チーム全体のこと、社会のことをまず考えよ、ビジネスの世界では、お客さまが求めているよい商品とサービスを適正な価格で提供せよということです。そうすれば、利益は後からついてくるということです。もちろん、売り上げや利益を出すことを否定しているわけではありません。お客さまが求めるものを後回しにて、会社の利益にこだわるから、経営がうまくいかなくなるのです。