あるお客様を接客していた時のこと。
そのお客様は見るからに警戒心が強く、何を話しても無視される。そこで、私は思い切って「先ほどのお客様は『営業マンが近くにいてゆっくり見学できない』と言っていたのですが、お客様もそうですか?」と聞いてみたのだ。
すると、今まで黙っていたお客様が「そうなのよ。隣のAホームに行ったら営業マンがうるさくてね。本当に参っちゃいましたよ。それに…」と次々と話してくれるではないか。
他社の愚痴を一通り聞き終わった後「私はそういったことはしませんからご安心ください」と付け加えた。
それからはいい雰囲気で話ができたのだ。
初対面で、まずは警戒心を解き、《この営業マンは他の人と違って相談できそうだ》と思ってもらうことほど大切なことはない。好印象を持たれるようなスタートをすれば、その後の展開は非常に楽なることを実感した。
お客様の
「断わり文句」を先に言う
この経験をきっかけにトークをいちから作り直していった。
・じっくり考えたい
・すぐに話を進めたくない
・勝手に説明されるのはイヤ
などのお客様の“断わり文句”を記録しておきトークに応用する。
その後、接客時間も長くなり、それと比例するように成績は上がっていった。
“お客様が用意してくる断わり文句を先に言う”
こういったことを「カタルシス効果」という。