世界の自動車メーカーは次の成長フロンティアとしてアフリカに投資しており、成長を後押しするための新たな製造拠点を建設している。一部の大手自動車メーカーは北アフリカを世界で最も新しい自動車産業の集積地に変貌させてきた。これはアフリカ大陸では珍しい産業化の成功例と言えるだろう。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)、フランスのルノーとグループPSA(旧社名PSA・プジョーシトロエン)、韓国の現代自動車、日本のトヨタ自動車などは近年、成熟した自動車市場にはない成長が見込めるアフリカに数十億ドルの投資を行ってきた。米国、中国、欧州の新車販売は好調だった10年間を経て低迷している。ドナルド・トランプ米大統領による政策の影響で貿易障壁が世界中で高まるなか、地元や地域の需要に応えることを主眼としたそうした産業クラスターは、グローバルなサプライチェーンを見直している企業にとってモデルケースとなる可能性がある。