9月30日深夜に達成された米国とカナダの通商合意は、ドナルド・トランプ米大統領の型破りな交渉手法の明白な勝利となった。米政府を厳しく批判してきた人々も、今回の改定内容を大きな成果と受け止めている。トランプ氏とその支持者らは、米国の労働者の利益のために通商協定を見直すという大統領選挙で同氏が約束した主要公約が実現に向け大きく前進したと、初めて主張できることになった。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)では、部品の75%以上が北米で製造された乗用車だけが関税免除の対象になると規定されている。また、これら乗用車の40%以上は、労働者の平均時給が16ドル(約1800円)以上の工場で生産されたものでなければならない。また、カナダが自国の乳製品市場を米国農家に開放する策に応じたことも重要だ。