米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が当局と和解できたのは、米プロバスケットボール協会(NBA)のダラス・マーベリックスのオーナーで実業家のマーク・キューバン氏と電話で15分話したおかげだった。8月にテスラを非公開化するとツイートした件で、マスク氏は証券詐欺に問われていた。マスク氏は当初、米証券取引委員会(SEC)との民事での和解を退けていた。だが顧問弁護士のクリス・クラーク氏が9月27日夜にキューバン氏に連絡を取り、マスク氏に再考を促すよう求めた。複数の関係者が明らかにした。キューバン氏は10年前にインサイダー取引容疑でSECに起訴され、5年にわたる法廷闘争を経て勝訴した経験の持ち主。マスク氏に、裁判が長引けば企業経営の時間がなくなると伝え、法廷闘争より和解の方が打撃は少ないと助言した。SECとの訴訟中に自身が味わった苦労について話したという。