金融市場に対する投資家の疑念が高まりつつある1つの兆候は、最も人気の高い投資商品への新規資金の流入が鈍化していることだ。米国の投資信託および上場投資信託(ETF)への今年1月~9月の純資金流入額は、前年より46%減少した。モーニングスターが集計した最新データによると、純流入額は計2817億ドル(約31兆6000億円)。前年同期は5172億ドルだった。「投資家は、相場下落の可能性に備えるための初期段階に入ったようだ」。デロイトのコンサルティング部門、ケイシー・クワークの調査責任者、タイラー・クロハーティ氏はこう指摘。投資家は「キャッシュや比較的ディフェンシブなポジションに回帰している」と話す。米株市場の強気相場は史上まれにみる長さで続き、S&P 500種株価指数は金融危機で底値をつけた2009年3月に比べると約4倍に上昇している。