米国の大手銀行は12日、世界の終わりではないことをタイミングよく思い出させてくれた。金利上昇を嫌気し、ダウ工業株30種平均はここ2日間に1300ドルを超える下げを演じたが、銀行は当然ながら金利上昇の恩恵を受ける。株価が急落する中でも、JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの3行が発表した7-9月期(第3四半期)決算はいずれも、米経済の基本的な強さを示す形となった。JPモルガンとシティは利益が市場予想を上回ったほか、不祥事に揺れるウェルズ・ファーゴもコスト削減が寄与してまずまずの内容となった。法人向け融資やクレジットカード融資の金利は預金金利を上回るペースで上昇するため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは、大半の銀行にとっては差し引きプラスとなる。JPモルガンはとりわけそれが顕著で、純金利マージンは前四半期の2.46%から2.51%に拡大した。ウェルズ・ファーゴでも利ざやは改善したが、シティは横ばいだった。海外事業の比率が高く、米金利の動向による影響が少ないためとみられている。
「金利上昇も悪くない」 米銀決算に見るプラス面
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