人や企業の持つ「ブランド」をどう評価するかは、他社や外部の人材と交流し、共創してイノベーションを起こす「オープンイノベーション」が当たり前の時代になった今、ますます重要になっている。
ブランドとは、「顧客にこう見られたい」というイメージを、顧客の心に植え付けるためのコミュニケーションだ。例えば、スポーツ用品メーカーの米ナイキは、大規模な広告宣伝を打ち、多くの有名スポーツ選手たちにシューズや用具を愛用してもらうという実績の積み重ねで、強力なブランドをつくり上げた。今やナイキといえば、多くの消費者が、一流アスリートたちを満足させる用具を開発、製造するメーカーだと認識しているだろう。
一度、こうしたブランドが顧客の頭の中に入り込むと、新しい製品・サービスを購入する場合にも、そのブランドのものを疑うこともなく選択する傾向がある。ブランドは消費者の判断を誘導する仕掛けで、これこそが企業側の狙いだ。
消費者の立場からすれば、情報が溢れ、無数の選択肢から購買するものを決めなければならない状況では、ブランドは重要な判断基準となる。企業と消費者の距離がブランドによって縮まり、実際に購買までつなげることができたなら、そのブランド戦略は成功だといえるだろう。
オープンイノベーションとブランドは、一見すると無関係のように思えるが、そんなことはない。