米IBMはクラウド用ソフトウエア大手レッドハットの買収で大きなリスクを取る。だが何もしない方がリスクは大きいだろう。元祖ハイテク大手のIBMは、レッドハットを全額現金により330億ドル(約3兆7000億円)で買収する。1世紀余りに及ぶIBM史上で最大の買収案件だ。28日発表した買収額は、先週末終値に基づくIBMの時価総額の約29%に相当し、直近の現金残高147億ドルの2倍超に当たる。IBMの債務は著しく膨らみ、信用格付けは下がり、資金調達コストは増えるだろう。バーンスタインのトニ・サコナギ氏によると、結果としてIBMの利払い費用は年間10億ドル増える見込みだ。つまりは高価な買い物だが、直ちに変革をもたらす取引とはいえない。レッドハッドは今年度34億ドルの売上高を上げる見通しで、IBMの総売上高は4%程度増えるだろう。
IBMのレッドハット買収、高リスクだが正解
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