米司法省は1日、マレーシア政府系ファンドからの多額の資金流用を共謀した罪で、ゴールドマン・サックス・グループの元バンカー2人とマレーシア人実業家を起訴した。史上最大規模の汚職事件を巡る米国での初の起訴となる。ゴールドマンの元アジア地域パートナー、ティム・ライスナー被告(48)は、マレーシア政府系投資ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の資金調達で果たした役割で国外の贈収賄防止法に違反した罪およびマネーロンダリング(資金洗浄)を共謀した罪を認めた。被告は4370万ドル(約49億円)の罰金を支払う。ゴールドマンのもう1人の元バンカー、ロジャー・イン被告(51)と、汚職の首謀者とされるマレーシア人実業家のジョー・ロウ被告(36)は国外の贈収賄防止法違反および資金洗浄に絡む3つの共謀罪で起訴された。マレーシア当局によると、イン被告は1日にマレーシアで逮捕されたが、ロウ被告は逃亡中で、中国で目撃されたのが最後となっている。