シアトルに住む弁護士のシルビア・ホールさん(38)は、40歳で引退したいと考えている。ただ、その夢には代償を伴う。例えば「茶色くなったバナナ」がそうだ。ホールさんは家計を徹底的に切り詰めている。2020年までに200万ドル(約2億2600万円)を貯めるためだ。これは、税引き後所得の約70%を貯蓄に回し、生活のあらゆる分野に厳格な支出上限を設けることを意味する。食費を月75ドル前後に抑えるため、ホールさんは果物や野菜の店では茶色く変色したバナナなど廃棄寸前の食品を探す。ガソリン代を節約するために通勤は徒歩だ。娯楽に費やす支出を抑えるため、ネットフリックスのパスワードは友人から借りている。「自分の思うがままの生活を65歳まで待たなくていいという考えは、私にとって魅力的だ」とホールさんは語る。
貯蓄と倹約が最優先:40歳引退を狙う米国の若者
家計を徹底的に切り詰めるのは、老後の備えが出来ていない親世代の過ちを繰り返さないためだ
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