米国で広告業界とハイテク業界の争いが繰り広げられようとしている。企業が広告枠を購入する方法の変化が背景だ。英WPP、米オムニコム、仏ピュブリシスといった大手広告代理店が何年にもわたって高いリターンを創出してきたのは、複数の広告主の予算をひとまとめにし、テレビではCBS、オンラインではグーグルといったメディア企業から広告料の割引を取りつけてきたためだ。この「メディア購入マシン」は相変わらず多額の利益を生み出しているものの、脆弱(ぜいじゃく)に見える。かつて分断されていたオンライン広告の世界はグーグルとフェイスブックに集約され、広告枠を買う側の影響力は弱まってきた。データ提供会社イーマーケターによれば、両社は今年、米国のオンライン広告費の57%を取り込む見通しだ。
米広告業界、巨大IT2社との不利な戦い
グーグルとフェイスブックの急成長で、広告代理店を通さない取引は簡単に
有料会員限定
あなたにおすすめ