小室 具体的に取り組まれた施策について、お聞かせください。

大塚 全社的に、働き方改革のフレームワークを「業務面」「カルチャー面」「制度面」に分けて整理しています。まず業務面が非常に重要だと考えています。「間違った数字を世の中に出さない」という本来の目的のために何をやるべきかを考える必要があります。

 監査手続きをチェックリストのように捉え「これをやった」とつぶしていくのではなく、リスクが高いエリアに絞ってそのエリアにリソースを集中して取り組む必要がある。それを自分たちで考えて実行するという原点を、もう一度徹底し直しました。これを“リスクアプローチの徹底”と呼んでいます。

小室 それはどう皆さんにお伝えされたのですか。

大塚 まずは理事長からのメッセージを起点にしました。「パートナー」と言われる幹部を対象としたミーティングでもメッセージを流しましたし、全職員に対してもビデオメッセージを流しました。考えを啓発、浸透させると同時に、それを達成できるような技術的なツールも開発・展開していきました。

ネットワークへの接続を制限で
限られた時間で仕事をする意識を醸成

小室 ツールというのは、どういうものですか。

大塚 会社として「これはこう考える」という監査ガイドラインを出したということですね。

小室 今までのガイドラインとはどう違うのですか。

大塚 実は、いままで分厚いチェックリストのようなものになって、逆に誰も読まないようなものになっていたんです。

小室 何か問題が生じるたびに「そこを注意」という要素が加わって、結果的に膨大になりすぎていたもののポイントを絞ったのですね。

大塚 制度面では、社内のネットワークに接続できる時間を制限しました。限られたリソースや時間の中で仕事をする環境をつくったということです。