小室 前編で「会計士は、ポジションにかかわらずプライドがあるので、長時間労働を厭わない気質があって、どんどん増えていく監査手続きを、ど根性で終わらせようと長時間労働になり、そんな優秀層の離職が増えてしまっていた」とおっしゃっていましたね。優秀な人ほどインプット不足に危機感を感じる傾向があると思いますが、どんな対策をされたのですか?

大塚 「自ら考え、自ら行動しよう」の一環として、うちの事業部では書籍を読むための補助などを行っています。事業部のライブラリーには、面白そうな本が増えました。また各自がインプットの時間を取れるようにという意味でもインターバルが必要だと考え、前編でもお話したネットワーク接続制限を行いました。

制約条件の中でこそ
イノベーションが生まれる

小室 ネットワークに接続できる時間が7〜21時(水曜日は7時~20時)ですから、10~11時間空いていますね。事実上、自社でインターバル規制を導入したのとほぼ一緒ですよね。インターバル規制をどのように導入するか、悩んでいる企業も多いですけど、「この時間からこの時間はネットワークを切るよ」「入館、退館できないよ」というルールを始めていくことで、本格的に義務化や就業規則化するときに移行しやすいですよね。

大塚 物事を変えるのに色々なやり方があると思うんですけど、「まず啓発をしてから変える」というのは多分正論で、私もそれが絶対いいと思っていました。ただ、啓発をして本人が腑に落ちるようにさせるのは簡単ではない。啓発しつつも、環境を強制的に変えてしまうというのが、1つの方法だと思います。

 これはどちらか一方だけでは、駄目だと思うんです。環境だけ先行させると、結局は隠れ残業、サービス残業を誘発してしまう。

小室 そのあたりはスムーズに行きましたか。

大塚 最初はものすごい反発を受けました(笑)。