勝てなくなったら引退
大関以下とは違う厳しさ

稀勢の里が初日から4連敗で休場。横綱という立場の辛さとは?
Photo:PIXTA

 稀勢の里の初日からの4連敗を見て、改めて横綱という立場の辛さを感じた。

 いうまでもなく横綱は番付最高位だ。優勝して当たり前の存在であり、下位の力士が勝とうものなら観客は大いに沸く。平幕力士が勝てば金星といわれて褒賞金が出るほどで(金星1個で年収は24万円アップ)、それだけ勝つのが難しい強い力士ということだ。

 大相撲ファンの本場所の注目点も横綱が順当に優勝するか、それとも大関以下がそれを阻止するかであり、見どころの軸には常に横綱がいる。

 ところが今場所は、白鵬が手術した右ヒザの完治が遅れたため、鶴竜も右足首の故障のため休場を表明し、稀勢の里が一人横綱を務めることになった。その稀勢の里は昨年3月の横綱昇進場所で優勝はしたものの、この時痛めた左肩が完治せず、以後は出場しては黒星が先行して休場という不振が続いていた。先場所10勝5敗の結果を残して、なんとか横綱の面目を保ったところであり、重責を果たせるかは心もとない状態だった。

 その不安は的中し、初日は貴景勝、2日目は妙義龍に敗れ連敗スタート。横綱としての務めを順当に果たせている時なら、ここで無理をせず休場の決断もできたはずだが、生真面目な稀勢の里は一人横綱の責任感もあって、残りを勝ち続ければ挽回できると考えたのだろう。結果3日目、4日目も出場して敗れ、初日から4連敗という横綱としては87年ぶりの不名誉な記録を作ってしまった。そして、やっと休場の決断をしたわけだ。