デトロイトのすぐ北に位置するミシガン州マコーム郡の投票行動が1980年代に民主党支持から共和党支持へと覆ったことは、まさに「レーガン・デモクラット」の象徴となった。レーガン・デモクラットとは、それまで忠実な民主党支持者だった中間層の有権者のうち、80年代に民主党を見限った人のことだ。マコーム郡では2016年の大統領選挙でも同じことが起きた。共和党のドナルド・トランプ氏の得票率が、民主党のヒラリー・クリントン氏を12ポイント上回ったのである。今年の中間選挙ではどうだったのか。マコーム郡の投票行動は再び逆転した。有権者は、州全体を選挙区とする知事選挙、連邦上院議員選挙でそれぞれ民主党を支持した。このことが示唆するように、今年の中間選挙で最も興味深く、かつ重要だったのは、中西部北部の結果だった。ここは伝統的な産業の中心地であり、トランプ氏が2年前の大統領選で衝撃的な勝利を得る上で必要とした「ロケット燃料」の最も多くを供給した地域だ。
20年大統領選の構図示す、民主のトランプ州制圧
大統領の通商政策の威力に疑問符
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