通常の住宅ローンの完済年齢の上限は80歳である。ケース1のように1400万円を借り、元利金を月々返済すると、借入時65歳だと(返済期間15年)約9万円、70歳だと(返済期間10年)約13万円となる。

 生きている限り支払うことになるが、利息だけの支払いで済むのは年金生活者にとってメリットと言えるだろう。

親の死亡後に土地を
手放さなくてもいい選択肢もある

「リ・バース60」は返済期間の終期を設定しないため、月々は借入額に対する1ヵ月あたりの利息の定額支払いとなる。元金の返済は、ローン利用者が亡くなった時に、相続人が担保物件の売却などにより一括返済するのが原則だ。

 相続人の子どもが親の自宅を売却したくないときは、子どもが手元資金で借入元金を返済すれば、担保が設定された自宅を手放さなくてもすむ。ローンを借りた人が存命中に繰り上げ返済で元金を減らすことも可能だ。

 ローン契約者が死亡後に、残された配偶者が住み続けられるようにするには、夫を主たる債務者、妻を連帯債務者にして契約することで、ローン返済の終期を夫婦両方が亡くなったときにすることができる。

 担保物件の価値が下落して、売却代金が残債務に満たない場合は、相続人が足りない分を手元資金で補う必要が出てくる。つまり、いつかわからない将来、借金の返済があるかもしれないということだ。

 これを避けるには「ノンリコース型」で借りるといい。ノンリコース型だと残債が発生したとしても、相続人に請求されることはない。ちなみに、相続人に差額が請求されるタイプは「リコース型」という。ノンリコース型は、リコース型に比べ、金利が高めに設定されていたり、金融機関によっては扱っていなかったりするので、事前に確認する必要がある。

 長期的には、担保不動産の価格下落リスクが発生する。お金の貸し手である金融機関は、住宅金融支援機構が提供する「住宅融資保険」を利用することでそのリスクを回避する仕組みとなっている。

 親が「快適な家で暮らしたい、でも長生きするかもしれないので老後資金は取っておきたい」と考えたとき、「リ・バース60」は利用価値のある選択肢になる。仕組みは簡単ではないし、「死亡時に土地を売って元金返済」の方法は家族間のトラブルにもなり得るので、利用の際には十分な話し合いと、住宅金融支援機構でカウンセリングを受けることをお勧めする。