建築・土木業界は5年で40時間減!
コンサル業界は昨年から6.8時間減に

 では、業界別の平均残業時間はどう推移しているのでしょうか。業界別で見ても、すべての業界で平均残業時間が減少していることがわかります。

 昨年と比べ、最も月間の平均残業時間が減ったのは「コンサルティング、シンクタンク」業界で、6.8時間も減少しています。2013年のピーク時の月間平均残業時間82.6時間から5年で37.1時間も削減できています。

 人手不足が叫ばれる「建築、土木、設備工事」業界においても同様に、前年より6.6時間減少、過去5年間で月間40.1時間の削減となり、人材確保にむけた健全な労働環境づくりに取り組んでいることがうかがえます。

 そのほか、「インターネット」業界でも13年には58.8時間だった月間平均残業時間は年々減少していき、昨年からは6.7時間も減少して18年は28.8時間という結果になりました。

 2014年までは前年よりも残業時間が増加する業界も少なくありませんでしたが、2015年以降は「監査法人、税理士法人、法律事務所」を除き、どの業界でも残業時間は減少しています。特に「広告代理店、PR、SP、デザイン」業界は、15年から18年までの3年間で62時間から41.8時間へと20時間以上も減少しており、2015年12月に起きた元電通社員の過労自殺などの影響も大きいと考えられます。

 働き方改革関連法案の施行まであと4ヵ月。中小企業は時間外労働の罰則付き上限規制が20年4月まで猶予されるとはいえ、対策は待ったなしの状態です。厚労省も公表している残業時間の減少に成功している事例なども参考にしながら、社員の生産性を向上させる取り組みのいち早い実施が求められています。

(本記事はVorkers[ヴォーカーズ]からの提供データを元に制作しています)