欧米からの経済制裁で苦境にあるロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、経済政策を内向きに変えつつある。旧ソ連時代以来で最大となるインフラ投資事業の推進役には国内の財閥を指名した。ロシア政府は今後5年間に1000億ドル(約11兆3500億円)相当の資金を投じ、橋や港湾、輸送路を建設する計画だ。この中には北極圏を通る鉄道建設計画も含まれている。今回の計画は、欧米の資本と技術の流入が止まったことによる打撃を克服するためにロシアが打ち出した策としては、最も野心的なものだ。ロシア政府は、これらの巨大プロジェクトがセメントから鉄道車両に至るさまざまな分野の国内産業界に大量の受注をもたらし、輸出を拡大させ、新たに数万人の熟練労働者の雇用を生み出し、国内総生産(GDP)成長率を2021年までに現在の倍の3.1%に押し上げると期待している。