米連邦準備制度理事会(FRB)高官2人が今週、金融政策について新たな考えを示した。金融市場はこれを好感し、ダウ工業株30種平均は28日の相場で2.5%高となった。FRBの発言に対する投資家の第一印象は常に正しいとは限らない。しかし今回の場合、FRBが利上げ計画を妥当な理由で見直しているという判断は正しいようだ。米株相場はジェローム・パウエルFRB議長の発言にほぼリアルタイムに反応した。パウエル氏は28日にニューヨークで行った講演で、現在の政策金利が「経済に対して中立な水準の幅広い推定値を若干下回る」と述べた。これは言い換えれば、FRBは大方の予想通り12月の追加利上げは実施するかもしれないが、幾分恣意(しい)的な「中立」金利を何としても追求するために、2019年に予想されている3回または4回の利上げを実施したりはしないということだ。「中立」の定義はデータやイベントによって変わる可能性があり、往々にして独断的なFRBがそうした謙虚さを見せたことは歓迎すべきだ。