欧州連合(EU)指導部はもう我慢できないようだ。ユーロをドルのような真の決済通貨にしたいと考えている。世界の準備通貨として支配的な地位を占めるドルに取って代わるのを目指してEUが今週発表した新政策は、米国を含む世界中の投資家の利益になるだろう。そうした政策が政府債務と貿易赤字への懸念という大きな障害に直面しているのは残念である。とりわけ懸念を強めているのはドイツだ。ユーロの地位を向上させるためのこうした取り組みは、エネルギーや資源の貿易や投資に焦点が当てられている。EU指導部には、ドルを使用しないことで米国による新たな対イラン制裁から欧州の企業や銀行を守るという狙いもある。たとえそのユーロ強化策がうまくいったとしても、ユーロがより大きな役割を担うまでになるのは難しいだろう。準備通貨は発行国が関与しない貿易においても有用でなければならない。世界の輸入のドル建て決済のうち、約80%は米国とは一切関係ないところで発生している。