今秋大きく減速したトルコ経済は、冬季も縮小する見通しだ。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領には計り知れないほどの課題を呈しそうだ。インフレ高進に歯止めをかけようと9月に金利を大幅に引き上げ、エルドアン大統領に抵抗した中央銀行にも、10日発表の国内総生産(GDP)の数字は難問を突きつける。トルコは昨年、20カ国・地域(G20)のうち最も高い経済成長を遂げた。だがエコノミストの間では、10-12月期から来年初めにかけて同国の経済活動が収縮するとの見方が優勢だ。トルコリラは今夏に対ドルで過去最安値を更新。トルコ企業は借り入れを原動力にした景気拡大期に背負い込んだ外貨建て負債を返済しにくくなった。ただ中銀による利上げが奏功し、その後リラは下げ幅を縮小した。
トルコに忍び寄る景気後退、大統領と中銀の課題に
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