キャッシュレス決済をした金額の20%(年30万円が上限)を所得控除の対象とした時期があった。減税はどこの国の人も大好きだ。韓国は、こうした政策により世界一のキャッシュレス大国になった経緯がある。

 キャッシュレス決済が普及すると紙幣や硬貨の製造が減るので、国にとってはコスト削減になるメリットもある。普及を進めているところへ、消費税増税後の景気対策のポイント還元の施策が出てきたのである。

ポイント長者なのに
貯蓄できない人になってはいけない!

 こうした背景もあるところにIT技術の進化により、従来のクレジットカードや電子マネーの他に、QRコード決済など新しいタイプの商品・サービスが次々と出てきている。

 来年は選択肢が格段に増えることが予想される。もともとポイントを貯めるのが好きで、クレジットカードのポイントの互換性などを調べてうまく活用するのが苦にならない人にとっては、5%ものポイント還元が実施される来年はハッピーイヤーとなりそうだ。

 しかし、そうしたポイント長者は全体から見ると少数だ。ほとんどの人がたくさんの選択肢が出てくると「どれがおトクかわからない。とりあえず、使ってみよう」となるだろう。

 これまで家計相談を受けてきた経験上、支払いの手段が増えるほど、支出状況を把握しにくくなり、計画的な貯蓄ができなくなる傾向がある。

 来年のポイント還元と、続々と登場する新たな決済方法を試すことにより「ポイントは貯まるけれど、お金は貯まらない」状況になるかもしれない。これは避けたいものだ。

 クレジットカードやデビットカードで支払うもいい、新しく登場する決済方法を試すのもいい、うまく家計管理に取り入れることができれば、便利である。やってはいけないのは、決済の手段を増やすことだ。最小限の決済方法に留めることによって、支出の動線が複雑化することを防ぐことになる。

 ポイントを貯めるより大事なことは、お金が貯まる人になることだ。