経済指標は米経済が好調だと言い、市場は景気後退(リセッション)に向かっている可能性があると話す。ことは、ジェローム・パウエル議長が他の要素よりも経済指標をずっと重視していることを示す。そうすることでパウエル氏は、エコノミストとしての経歴はないながら、経済学を専門とする歴代FRB議長らと同じ姿勢で仕事に臨んでいる。データや各種の事例、経済モデルから経済の実態を解明し、見通しを立てているのだ。市場の動きはこのプロセスにとって一つの材料だが、市場の予想には特にウエートは置かれていない。データだけを基にすれば、パウエル氏の選択は簡単だった。経済成長と失業率はFRBの予想した通りに動き、住宅着工や失業保険申請といった比較的弱い一部のデータは最近改善している。
FRB議長の賭け:市場より指標が正しい
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