日本は2%のインフレ目標に対する姿勢を後退させている。投資家もそうすべきだ。好調な企業利益の方が低迷する物価よりも経済の潜在力を正確に捉えている。安倍晋三首相の景気刺激策は、2012年の首相就任以来、成長を押し上げ、失業率を押し下げてきた。だが、インフレ率は1%を割り込んだままだ。これは長らく失敗と判断され、利益に対する株価で評価した日経平均株価のバリュエーションは他の先進国と比べて、過去最低に沈んでいる。安倍首相はここにきて、インフレ率をさほど気にしなくなってきた。日本経済は1990年代以降、多くの投資家が認識しているよりも好調に推移してきた。生産性の伸びはドイツに並び、他の先進国の多くを上回る。ユーロ圏諸国や新興国とは対照的に、企業利益は来年も堅調が続くと予想されている。
物価目標の先を見始めた中銀、投資家も追随を
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