2018年を地球温暖化や格差、毒々しい政治などを情けなく思って過ごした人に朗報だ。昨年1年間で世界は良くなった。今年はさらに良くなるだろう。世界中で貧困は急速に減少している。今や世界の半分は中間層だ。非識字率は下がり、病気、そして死者を伴う暴力も減りつつある。こうした事実は新聞の見出しにはならない。変化は緩やかに絶え間なく起きていて、意外性がないからだ。だからこそここで取り上げる価値がある。世界が今、直面している問題は既に克服した問題と比べれば格段に小さく、同じように解決できる。奇跡に頼るわけではない。私たちが今、手にしている知識と方法を辛抱強く実行に移せばいい。有史以来、人類はほとんどの期間を飢餓の瀬戸際で過ごしてきた。1980年になっても世界の半分近くが「極度の貧困」状態にあった。これは基本的な生活必需品さえ満足に買えないということで、世界銀行は2011年の購買力平価で1日当たり1.90ドル未満と定めている。極貧状態にある人の割合は2018年には推計で8.6%に低下すると予測された。成長と貧困の相関を考えると、今年はほぼ確実に一層の低下がみられるだろう。