米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、恐らく安心感を与えようとして先月の記者会見で「もちろん私たちは常にデータに依拠している」と述べた。しかし、どのデータなのか。エコノミストが成長や雇用やインフレについて知るための指標は数えきれないほどある。適切な予想を立てるうえで、正しい指標を選ぶことは仕事の半分に過ぎない。FRBは他のどの指標にもまして株式市場を注視すべきだ。市場を操作するためではない。市場は成長と雇用に関して最善の予測を示すからだ。時価総額の変動も消費に影響を及ぼし、国内総生産(GDP)の方向性を決める。だが米株市場に息切れの兆しがあるにもかかわらず2.3%の経済成長を予想しているところをみると、FRBは株式市場が示す予測の価値に重きを置いていないとも考えられる。