このゲームの解を考えてみよう。各プレーヤーが最適反応をしている戦略の組み合わせ、つまりナッシュ均衡はどこにあるだろうか。
答えを教えるのは上表の利得表だ。数字が大きい方を丸で囲んでみる。Bが直進する場合、Aは直進して大けがをする(マイナス5)より、回避して臆病者だと言われる(0)方がましだ。
Bが回避する場合、Aは自分も回避して何もない(1)より、直進して称賛される(2)がいい。
同じようにBの立場でも考えると、ナッシュ均衡は「A直進-B回避」と「A回避-B直進」の二つあることが分かる。チキンゲームでは、2人がお互いに逆の戦略を取ることが解となる。囚人のジレンマのように一つではない。
かつてのキューバ危機に代表されるように、国際政治経済を舞台とした究極の度胸試しの愚は、幾度となく繰り返されてきた。
ビジネスや会社内においても、お互いが相手の妥協を引き出そうと、自分の主張や強硬姿勢を曲げようとしないケースは間々ある。