2019年の株式への投資戦略は1999年当時とやや似ているものになりそうだ。だが今年に関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)は協力しないかもしれない。株式相場はここにきて落ち着きを取り戻したが、これはFRBによるところが大きい。米経済は今年、昨年よりも厳しい逆風を受けるとの懸念を背景に、FRBは利上げペースの予想を後退させた。ジェローム・パウエル議長はインフレが緩やかな状況にあり、FRBは金利決定において一段と柔軟な姿勢で臨むことができるとの考えを示した。S&P500種指数はこれを好感し、昨年12月下旬に1年8カ月ぶりの安値をつけて以降、10%ほど値上がりしている。どこまで強力な向かい風が吹くかは誰にも分からない。海外経済の減速、先細りする減税や財政出動による刺激効果、そしてこれまでのFRBの利上げによる影響。これらすべての要因は経済の減速を示唆しているが、まだハードデータには表れていない。米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数やデューク大学の最高財務責任者(CFO)四半期データなど、調査ベースの一部指標は弱含んでいるが、これも米経済ではなく海外経済のぜい弱さに加え、株式相場の混乱がより大きな原因となっている可能性がある。